11月17日、日本の川崎重工は『ウォールストリートジャーナル』のインタビューを受けた際、自身もその他の高速列車製造メーカーも、中國の高速鉄道が主張する中國獨自の技術を開発したとの見解を認めないと述べた。現在、中國で運行している多くの列車は特許を持つ輸出國のものとほぼ同じで、ただ外観デザインや內裝に少し手を加え、更に速度を上げるため推進裝置系統を改造しているのみである。川崎重工は、中國高速鉄道が國外への輸出に乗り出そうとしている狀況について、川崎重工と中國政府部門が取り交わした技術譲渡契約には、當該技術は中國國內に限って使用するものと明記されており、中國企業はその技術を輸出製品に応用することはできないと強調する。
このため、「中國高速鉄道の國外技術盜作疑惑」が國內外で一気に注目されるところとなった。
すでに900項目以上に上る中國の高速鉄道特許技術
鉄道部運輸局総合部の李軍主任によれば、一般的に、導入技術の土臺の上に、自身の技術による発展や革新が15%以上含まれる時點で、そこにはまた新しい知的財産権が生じるという。
我々は確かに各國の高速鉄道の先端技術を吸収、導入している。しかし、これらの技術的な足場の上に自身の技術集約システムの基礎を構築し、そこからイノベーションを生み出している。動力ユニットでは少なくともすでに知的財産権を取得した革新項目が26種類ある。京津(北京-天津)都市間鉄道等の旅客輸送線完成後、我々は國家知的財産権局に知的財産権を申告し、承認が下りたものはすでに900を超えている。また、2008年6月には國家知的財産権局と『中國鉄道知的財産権保護の戦略的協定』を締結した。更に、2009年からは國外に対しても我々の知的財産権保護の申請を行っている。
中國高速鉄道権利侵害との発言が中國のイメージを損ねた
北京大學法學院の張平教授は、中國高速鉄道が権利侵害に當たるかどうかは、司法的判斷によるべきものであり、海外の一企業が引き起こした國際世論で判斷すべきものではないという。もし、當初交わした契約の中に革新の制限や技術的進歩を妨げる條項があったとすれば、その契約自體が獨占禁止法や知的財産権保護の主旨に違反するものだったということになる。日本の多くの技術も長い時間をかけて改良、革新を重ねた後に発展したものだったはずだ。
もし、日本企業が司法的判斷の無い前提の下で「盜作論」を主張し続けるのであれば、それは『中華人民共和國獨占禁止法』における不正競爭であり、名譽毀損の侵害行為となる可能性もある。
知識財産権主管部門の役人によれば、権利侵害と非難するのであれば、その実際の証拠を提示し、具體的にどの特許を侵害したのかを明確にできなければならないという。もちろん、その特許に対して金銭的支出を行っているかどうかは、それが権利侵害かどうかの判斷基準にはならないが、一般的に金銭的支出があれば、意図的に権利侵害を行うケースは少ない。
知識財産権の領域においては、特許にもその範囲がある。もし、その権利所有者の許可を得ずに権利範囲に入りその技術を使用すれば、それも権利侵害となる。しかし、それぞれの狀況に応じた分析が必要となる。具體的にどの権利を侵害したのか、それには日本企業が訴訟を起すことが必要となる。
今の狀況から見れば、日本企業が高速鉄道の権利侵害について中國國內で訴訟を起こす可能性は低い。しかし、彼らが中國の高速鉄道の輸出先で訴訟を起こす可能性は否定できない。
また、今回の論爭から、知的財産戦略がいかに「早い者勝ち」戦略であるかが分かる。高速鉄道技術所有者、特に中國がその技術を輸出する可能性のある國は、ずっと前から中國に備えて特許を申請していた。また、この特許は、その申請から権限授與、そしてその応用に至るまで大変長い時間がかかることを認識しなければならない。できるだけ早く高速鉄道に使用されている技術を建設援助國において特許申請するべきである。
中國が國際高速鉄道の市場競爭に參入すれば、関連國からのけん制を受けることは必至だ。大多數の中國企業にとって、海外における訴訟は、そのコストを増加させるとともに、現地言語や制度の理解に手間を取られることは明らかである。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2010年12月9日