中國には、映畫監(jiān)督?巖井俊二氏の作品によって心の奧底に眠っていた文蕓の琴線が震わされたという文學(xué)青年がたくさんいる。巖井作品のストーリーは、ほぼ全ての映畫ファンの心の中に殘っている。上海國際映畫祭アジア新人賞の選考委員會主席として上海を訪れた巖井監(jiān)督に、謎に包まれた日常生活や日々の暮らしの中で感じていること、胸の內(nèi)にある思い、創(chuàng)作のインスピレーションがどこから來るのか、などについて、新京報の記者がインタビューした。

　▽純愛フェチ　「同年代の気持ちは分からない」

　新京報記者（以下、新京報）：監(jiān)督の作品には、淡い初戀をテーマとしたものが多いですが、監(jiān)督の初戀も映畫と同じような感じだったのですか？

　巖井俊二監(jiān)督（以下、巖井）：（笑いながら）小學(xué)校に入學(xué)してすぐ、初戀めいた気持ちを持ち、中學(xué)生になるとはっきりと戀愛感情を抱きました。でも手をつなぐどころか、相手に告白もできませんでした。

　新京報：これまでの監(jiān)督の作品は、ご自分の初戀を撮られたものだったのですね。

　巖井：秘めた戀や片思いに私は非常に興味を引かれます。親しげに街を歩くカップルを見ても、彼らの戀愛の経緯には心を引かれません。一方で、もし10年前に思いを寄せていたのに告白しないまま離れ離れになった人が今目の前に現(xiàn)れたら、相手にその気持ちを伝えますか。これなら立派なラブストーリーになるわけです。

　新京報：愛という感情に対して、この數(shù)年で変化がありましたか？今でも「純愛」は存在すると信じていますか？

　巖井：もちろんです。純愛はますます少なくなっていますが、まだ消滅していないと信じています。この考え方は、昔も今も変わりません。私が映畫で純愛というテーマにずっとこだわっているのも、この理由からです。現(xiàn)在制作中の映畫は、私より10歳以上若い人々の物語です。自分と同年代の人が登場する映畫を作ろうとしても、殘念ながら、私自身が彼らの心理を良く理解することができないのです。

　新京報：しかし、監(jiān)督の新作「ヴァンパイア」は、きわめて大きな論議を巻き起こしました。監(jiān)督が作風(fēng)を変えようとしていると感じた人が多かったようですが。

　巖井：「ヴァンパイア」の作風(fēng)を変えたつもりはなく、テーマはこれまでと同じく「愛」です。ただ私の周りにも、（作風(fēng)が）変わってきているという人はいましたね。たとえば、女優(yōu)の蒼井優(yōu)さんは「作品がますます変態(tài)化している」って（笑）。

　新京報：ご自分でもそう思われますか？

　巖井：蕓術(shù)性を追求すればするほど、周囲の目には「変態(tài)」と映るようです。