人々の服裝や表情には経済発展への確信、ゆとりがうかがえた。駅前の建物もホテルや高級(jí)マンションとおぼしきビルが林立し、地下鉄で「國(guó)貿(mào)」「大戲院」といった駅名表示の繁華街やオフィス街に行くと、高層ビルが立ち並び、中國(guó)というより、西側(cè)國(guó)家のダウンタウンの風(fēng)景と何ら変らない。大通りの交差點(diǎn)の角に深圳開(kāi)発を指示した故鄧小平副主席の巨大なパネル寫真が掲げてあるのを見(jiàn)付けて、改めて中國(guó)を意識(shí)するといった具合だ。

中心街にある深圳証券取引所ビル。杉山直隆氏撮影

その近くにある深圳証券取引所のパステルグリーン色の灑落たデザインの高層ビルは、市場(chǎng)経済の活用を原動(dòng)力にした中國(guó)の発展を象徴するようなビルだ。いまや人口は大阪府並みの８７０萬(wàn)人。同じ國(guó)際感覚を感じさせる都市であっても、歴史的なビルや數(shù)々の戦前の史跡がある上海と比べて、深圳の表情はどこか違う。中國(guó)の新しいエネルギーを生んでいる“顔”と言おうか。

その日の午後、広州に再び戻る高速列車の車窓から見(jiàn)える沿線の新興ベッドタウンを眺めながら、１９７０年代後半、まさに建設(shè)途上だった時(shí)の東京?多摩ニュータウンの光景を懐かしく思い浮かべた。緑の広い丘陵地帯が、次々と高層住宅団地群に変っていく。中國(guó)華南のこの熱気は、あのころの日本と重なり合うような気がした。まさに高度成長(zhǎng)を駆け上がる日本だった。 

プロフィール

杉山　直隆（すぎやま?なおたか）

1968年朝日新聞社入社、盛岡、水戸、橫浜勤務(wù)を経て、東京本社経済部記者。証券、貿(mào)易、自動(dòng)車等機(jī)械、銀行、諸官庁取材を経験。思い出に殘るのは、伊藤忠?安宅産業(yè)など商社合併、ロッキード事件、自動(dòng)車の対米輸出自主規(guī)制交渉、1980年代の円切り上げをめぐる日米金融自由化交渉、銀行の海外進(jìn)出?再編など。新聞?テレビの連攜業(yè)務(wù)にも攜わり、テレビ朝日映像常務(wù)を務(wù)めた。

神奈川県鎌倉(cāng)市在住。日中関係のあり方?発展に関心を持つ。

?中國(guó)網(wǎng)日本語(yǔ)版(チャイナネット)?　2011年7月14日