中國網:なるほど、中國でも精神的バックボーンを求める人が増えているようですね。昨年は日本にとって東日本大震災をはじめ、試練の年となりました。御社にとって大震災の影響はいかがでしたか?
後藤:弊社では一部工場で軽微な被害がありましたが、2週間後には通常生産が再開できました。しかし、もちろんサプライチェーンには打撃がありました。また、京セラグループとして會社、および社員からの義捐金を合わせて2億円を送らせていただきました。
中國網:話は変わりますが、御社が中國で展開されている事業の中でも、太陽光を中心とする環境に対する取り組みが注目されています。中國における環境事業をご紹介いただけますか?
後藤:京セラは太陽光発電に取り組んで38年目になります。ずっと地球環境に取り組んできました。名譽會長の稲盛からも「人の役に立つものは絶対にあきらめるな」と激勵され、弊社には他にはない技術があると自負しています。日本の大震災による原発事故を受けて、世界的にクリーンエネルギーが注目されていることからも、私利私欲だけではなく、地球環境、社會貢獻という視點から、厳しい価格競爭はありますが、引き続き中國市場へも取り組んでいきます。
環境出前授業の様子
中國網:京セラのソーラーといえば、「環境出前授業」というユニークな環境教育を中國でも展開されているとお聞きしました。活動の內容とエピソードはございますか?
後藤:現在、小學校高學年から中學生までの生徒さんに、ソーラーパネルやその電力で動くおもちゃを學校へ持ち込んで、太陽光について學んでいただく「環境出前授業」を行っています。日本と中國を中心に展開し、現在までにあわせて5萬人(2011年11月末現在)の生徒さんに參加していただきました。授業は私や事業部長も時間を見つけて參加し、社員自ら行います。子どもたちの反応に國境はありません。みんな目をきらきらさせて、その仕組みに驚きながら知識を吸収していってくれます。楽しいひと時ですよ。