シンガポール國立大學東アジア研究所上級研究員の藍平児(ラム ペン アー)氏は、『環球時報』の取材を受けた際、次のように述べている。中國と日本のメコン川流域國家との協力をめぐる競爭には、それぞれの利益的考慮が存在するが、全體的に見て、地域経済統合の促進剤となっている。また、カンボジア平和協力研究所のチェーン?ヴァナリット専務理事は次のように語る。東南アジアにおける日本と中國の投資は実質上、相互補完性を持ち、経済領域の健全な競爭は各方面に利益をもたらすことになる。しかし、ASEANは中日両國が當該地域において政治戦略面での競爭を展開することを望んではいない。なぜなら、それは當該地域に危険の火種をもたらすことになるからである。
だが、日本の考えは東南アジアの學者たちの想像とは明らかに違う。「金銭外交」以外にも、日本は米軍と共同でフィリピンの軍事基地を利用した軍事訓練を行う予定との報道もある。英國BBCによれば、近年、日本と中國はともにASEAN地域における影響力拡大に力を注いでおり、経済大國第二位の座については、すでに決著がついているものの、ASEANは南中國海問題において、日本は東中國海主権問題において中國と対立していることから、これらの國々と日本との関係が親密化しているという。また、日本のメコン川流域國家との協力は、経済的要素の他、政治的に中國を制圧する意味合いも含まれているという。
日本の対外援助は、その「政治大國」戦略の延長であるとの見方もある。日本の東南アジアに対する援助はどの國に対しても同様に行われているわけではなく、そこには明確な選択と志向性が存在している。援助を行うにあたっての條件の中には、被援助國の防衛や外交政策に関わるものもあり、その國防や対外関係に影響を及ぼしている。
東南アジアにおける日本のイメージ作り