多くの場合、石原慎太郎東京都知事は人の感情をあおるのが得意という政治的レッテルを貼られる。率直に言って、それだけで彼を理解すれば、表面的かつ感情的な認識が生まれ、さらには東京及び日本に対する判斷を誤ることになる。私は日頃から石原氏の小説を読み、右翼的な発言を耳にし、間近で彼を観察し、この右翼政治家が國民から歓迎される原因を探りたいと思ってきた。
今月17日午後、わたしは石原知事が毎週金曜日に東京都庁6階で行う定例記者會見に出席し、彼と記者との交流から、彼に対する新しい認識が芽生えた。
記者會見が始まると、石原知事はすぐに彼が提唱した釣魚島(日本名?尖閣諸島)購入募金の進展狀況について話し、寄付金が7億円を突破したことを明らかにした。彼は會見でも中國を「シナ」と呼ぶ。こうしたことから石原氏が頑固な反中派であることが伺える。
さらに、辺鄙な地方の多くの農家が寄付金を申し出ているが、周辺に寄付金口座を開設しているみずほ銀行がないため、東京都の郵便局にも寄付金受付サービスを開設し、稅務署が寄付した人に減免稅額の証明書を発行するようしたと報告した。私の隣に座っていた日本人記者が「これこそ『石原流』の政治手法」とこっそり話した。民衆に「関心」を寄せ、民衆を彼の政治的策略に引き込むのだ。
石原氏が質問を受け付けると、朝日新聞の記者が最初に手を挙げた。振り返って見ると、その記者は以前「石原氏の都政にはうんざり」と朝日新聞で報道した記者だった。石原知事はかつて彼に、「貴様、毆られたいのか?今後でたらめは書くな!」と脅したことがある。しかし今回記者の質問に答える前に、石原知事は年配者らしく笑みを浮かべ、「君、今日はどうしてまた最後列に座っているんだい?以前みたいに前に座ればいい」と聲をかけた。マスコミとよく衝突する石原氏はこうやって飴と鞭を使って記者とのわだかまりを解消している。