世界銀行?國際通貨基金(IMF)の合同開発委員會春會合で4月25日、新興國と発展途上國の投票権比率を3.13%引き上げ、47.19%とすることを決定した。「世界銀行の改革の最大の勝者」と稱される中國の投票権比率は4.42%に上昇し、すでにドイツ、フランス、イギリスを上回り、米國と日本に次ぐ第3位となっている。
多くの海外メディアは、今回の改革を通じ、中國は世界銀行の構造において経済力にふさわしい発言権を獲得し、國際的に認められ、正真正銘の経済大國となったとしている。世界銀行のゼーリック総裁は、「『第三世界』という概念はもはや過去のもの。この概念をなくすときが來た」と語っている。
世界銀行は今回の會議で「第三世界」という言葉を使わず、「新興國と発展途上國」という概念を使用しており、「第三世界」の概念をなくす意志を示した。また中國の投票権比率は1.65%上昇し、新興國と発展途上國全體の引き上げ幅の半分以上を占めており、すでにモデル転換を成功させたという感覚を與えている。「第三世界」の概念が本當に過去のものなのかどうか、なくす必要があるのかどうかに関わらず、一部の人の見解に基づき、中國が「第三世界」と同等に見る必要はない。「第三世界」に堂々と別れを告げ、「金持ちクラブ」に入ればよいのだ。
ホメロスの敘事詩に次のような話がある。ヘラクレスには無限の力があるが、その力は大地からもらったもので、英雄になり両足を地面から離すと、その力を失い、最終的に命も失ってしまった。中國が世界銀行の改革の最大の勝者であることは間違いないが、この勝利の成果は中國自身の経済力の高まりによって得られるものであると同時に、「第三世界」の一員という立場によって得られるものでもある。公認の「第三世界」の代表という特殊な立場でないと、これほどの短期間で、保守的とされる世界銀行において急速に地位を高めることは難しい。
はっきり言って、ゼーリック総裁も米國などの先進國も、中國がいち早く「第三世界」に別れを告げることを望んでいる。これは中國の実力が認められ、尊重されていることを示している。また別の角度から見れば、中國が第三世界から離れ、両足を地面から離し力を失ったヘラクレスのようになることを望むという考えが暗に示されている。