そして、南京大虐殺の歴史的証拠が次々と発見されるようになると、「まぼろし説」は太陽の下の雪がごとく急速に融けてしまった。20世紀(jì)末、中國は大々的に南京大虐殺の経験者の話を公開した。彼らの話は「まぼろし説」派の人々の間に大波亂を巻き起こしたことだろう。しかしそれでも、未だに少數(shù)の人が頑なにそれは中國がでっち上げたものであり、根拠がないと言っている。
しかし、日本では南京大虐殺の加害者となった一部の元舊日本軍が今になって、死期を前に良心の呵責(zé)に苛まれて沈黙を破った者もいる。彼らは偽りのない歴史事実を公開し、日本の社會を震撼させた。例を挙げるなら、2002年、松岡環(huán)氏が元舊日本軍に取材を行い記録した「南京戦?閉ざされた記憶を?qū)い亭屁D―元兵士102人の証言」という本を出版した。102名もの舊日本軍の証言が収録されており、どの一言からも南京で起こった殘忍な暴虐行為が読み取れる。このように、申し開きができないような事実を目の當(dāng)たりにし、「まぼろし説」の勢いは徐々に衰えてきたようだ。だからと言って、右翼は決して「中國のでっち上げだ」と聲高に謳うことをやめはしないだろう。その目的の一つはもちろん、淺はかで軽率な青年の支持を得るためだが、もう一つは「目標(biāo)は高ければ高いほど良い」ということである。即ち、高い目標(biāo)を掲げれば、少しでも歴史事実を帳消しにできるのではないかと企んでいるのだ。
意見その2 南京大虐殺は事実であるが、死亡人數(shù)に議論の余地あり
これは現(xiàn)在の日本で比較的多數(shù)に支持されている意見である。歴史教科書も含め、今まで主張してきた「死亡人數(shù)30萬人」というのを訂正している。日本側(cè)の認(rèn)識としては、中國側(cè)が主張している「30萬人」という數(shù)は誇張しすぎであり、実際の死亡人數(shù)はもっと少ない。
早稲田大學(xué)の洞富雄教授は1982年に発表した「南京大虐殺」という論文で、歴史資料や文獻を研究しこのような結(jié)論を出している。「當(dāng)時の南京において民間で埋葬された遺體は4萬人あまりで、宗善會堂慈善機関で埋葬された遺體は15萬5000人ほど、その為、死亡人數(shù)はおおよそ20萬人ほどであると考えられる。」また、日本側(cè)はしばしば東京裁判の南京大虐殺に関する資料を持ち出し、「南京を占領(lǐng)していた1カ月間に殺害した捕虜は3萬人、うち民間人である老若男女1萬2000人を含む。周辺住民の被害は2萬人、近郊の難民は虐殺や飢餓によって約5萬7000人が死亡している。これは一部の地域だけの統(tǒng)計データーである事を考慮に入れれば、全體の死亡人數(shù)は約20萬人ほどである」と主張している。他にも、1938年3月9日の「大公報」が死亡人數(shù)は6-7萬人であると発表したために、多くの日本人は南京大虐殺の死亡人數(shù)は數(shù)萬人に止まると考えている。
このような考えにも実は重度な偏りが覗える。まず、「大公報」が1938年に南京大虐殺を報道したとき、現(xiàn)地に出向いて実際の人數(shù)を調(diào)べる事などできる狀況ではなく、全ては推測であり、証拠としては取るに足らない。また、埋葬された遺體以外にも、日本軍は大量の遺體を長江に遺棄したことや焼卻したことを認(rèn)めている。その為、埋葬された遺體の數(shù)だけで死亡人數(shù)を決め付けるのには弊害がある。