中國による紛爭の和平的解決を信用すべき
表面的に見れば、「東中國海問題」よりも、中國と複數の東南アジア國家が関わりを持つ「南中國海問題」の方が複雑に見えるが、実際にはそうとも限らない。中國とASEANは2002年の段階で『南中國海における関係國の行動宣言』に署名し、各國が「友好的協議と談判を通じて、武力によらない平和的方法で南中國海関連紛爭を解決する」ことを約束している。その進展には限りがあるものの、少なくとも各國には武力によらない平和的方法で紛爭を解決するという共通認識が存在し、関連文書も作成されている。あとは、外交努力によってその文書の精神を、実質的かつ法的効力を持つ二國間または多國間の協議や條約という形に持っていけばよいだけである。
外國による侵略や臺灣獨立などの中國の根本的利益を侵す重大事件が起こらない限り、平和的環境によって経済発展を継続させたい中國が軽々しく武力行使を行うことはない。なぜなら、それは中國の経済発展にとってマイナスにしか働かないからである。平和的方法で近隣國との紛爭を解決したいという中國を信用すべき理由が、確かにここに存在する。
一つ、この地域の各國が重視しておかなければならない事がある。それは、今日の中國が、産業革命前にアジア第一強國だったあの頃のように、東アジア、更にはアジアにおける地位を高めていることである。そして、その勢いを増す國家的意志は、平和的方法で近隣國との紛爭を解決したいという各種の観點や主張を含む、様々な外交発言にも反映されてくるだろう。そのため、中國との間に紛爭を抱える國家や地域は、談判による紛爭の解決を早急に進めなければ、最大限その利益を手に入れることは難しくなるだろう。
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2011年4月25日