(一九九八年十一月二十六日)
日本國政府の招待に応じ、江沢民中華人民共和國主席は、一九九八年十一月二十五日から三十日まで國賓として日本國を公式訪問した。この歴史的意義を有する中國國家主席の初めての日本訪問に際し、江沢民主席は、天皇陛下と會見するとともに、小渕恵三內閣総理大臣と國際情勢、地域問題及び日中関係全般について突っ込んだ意見交換を行い、広範な共通認識に達し、この訪問の成功を踏まえ、次のとおり共同で宣言した。
一 雙方は、冷戦終了後、世界が新たな國際秩序形成に向けて大きな変化を遂げつつある中で、経済の一層のグローバル化に伴い、相互依存関係は深化し、また安全保障に関する対話と協力も絶えず進展しているとの認識で一致した。平和と発展は依然として人類社會が直面する主要な課題である。公正で合理的な國際政治?経済の新たな秩序を構築し、二十一世紀における一層揺るぎのない平和な國際環境を追求することは、國際社會共通の願いである。
雙方は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、內政に対する相互不干渉、平等及び互恵、平和共存の諸原則並びに國際連合憲章の原則が、國家間の関係を発展させる基本準則であることを改めて確認した。
雙方は、國際連合が世界の平和を守り、世界の経済及び社會の発展を促していく上で払っている努力を積極的に評価し、國際連合が國際新秩序を構築し維持する上で重要な役割を果たすべきであると考える。雙方は、國際連合が、その活動及び政策決定プロセスにおいて全加盟國の共通の願望と全體の意思をよりよく體現するために、安全保障理事會を含めた改革を行うことに賛成する。