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桃太郎に見る日本人の「民族精神」

桃太郎に見る日本人の「民族精神」。 桃太郎の日本での知名度は、孫悟空の中國での知名度に匹敵する。そこから派生した文學作品、映畫、マンガは山ほどある。桃太郎と名の付く居酒屋やレストラン、商品も盛り沢山だ。桃太郎が日本人にどれほど親しまれているかが伺える。これは生きるための一種の信念であり、「桃太郎精神」と呼ぶのに相応しい…

タグ: 桃太郎 魯迅 內山完造 西遊記 孫悟空

発信時間: 2011-01-06 17:03:34 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

桃太郎の漫畫

尚武の精神は強者への憧れ

尚武の精神(武道?軍事などを大切なものと考えること)は「桃太郎精神」の根本にあると言える。生存競爭において、尚武の精神はなくてはならない貴重な考え方である。小さい國の國民ならなおさら必要だ。戴季陶氏が言うように「小さな國の國民が発展を望むのなら、尚武の精神は不可欠である。」日本人の尚武精神と言うのは、少し違ったニュアンスがあるようだ。

「桃太郎」の中での鬼たちの行動も著目して見ると、深い意味がありそうだ。彼らは自分たちより強い相手に出會うと、おとなしく負けを認めている。そして桃太郎は勝者として當たり前のように敗者の財寶を奪っている。ポイントは、これが逆の狀況だったらどうなっただろうかという事である。もし、桃太郎が負けていたら?言わなくとも想像が付くだろう。きっと桃太郎は鬼たちの前に土下座して、命乞いをするはずだ。

これと似たような狀況を私は日本に留學していた時に、目撃したことがある。

それは居酒屋での出來事だった。廚房の責任者である石井さんは、私たち留學生をこき使っていた。陳さんは彼の助手だったので、不満も人一倍だった。ある時、石井さんは陳さんに餃子を茹でるよう言った。陳さんがうっかりミスをして、熱々のスープは石井さんの顔にかかってしまった。頭に血が上った石井さんは、陳さんの襟首を摑み、壁側まで引っ張っていくと、「バカ野郎」と怒鳴りつけた。陳さんは自分が悪いと分かっていたので、口答えはしなかった。一方の石井さんは怒りが収まらず、「お前ら中國人はみんな怠け者だ」と暴言を吐いたのである。これを聞いた陳さんもさすがに怒り心頭といった感じで、石井さんを思いっきり蹴り飛ばしてしまったのだ。石井さんは床に倒れ、私たちは、これはまずいことになったと思った。石井さんは立ち上がると、エプロンのほこりを払って、知らない人でも見るかのように陳さんをまじまじと見た。そしてなんと、ぷりぷり怒ったまま、再び自分の仕事に戻って行ったのだった。

次の日は気まずい雰囲気が漂い、誰もが石井さんが何かするだろうと思っていた。陳さんは最悪の事態を予想していた。しかし、驚いた事に、石井さんは陳さんに會うなり初めて自分から挨拶をしたのだった。晝食の時になると、石井さんが最初に聲をかけたのも陳さんで、彼に盛られたおかずも他の人よりも多かったのだ。このようにして、陳さんの居酒屋での地位は大幅に上がったのだった。

(李兆忠氏の著書『曖昧な日本人』より 九州出版社)

?中國網日本語版(チャイナネット)? 2011年1月6日

 

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