[東京 17日 ロイター] 安倍氏の挑戦
彼はおカネで買えないものを日本に與えることができるのか。日本の有権者が安倍晉三氏の政黨を再び権力の座に押し上げる前に、安倍氏本人はその経済振興策で金融市場の人気を勝ち得た。その計畫は簡単で非常に魅力があるが、経済學者らはリスクが高いとの見方を示す。それは紙幣を印刷してそれを使い切るというものだ。それも膨大な紙幣を。
安倍氏の経済業績は、彼が処理する様々な慢性病の結果で決まる可能性が高い。手っ取り早く印刷した膨大な紙幣だけでこれらの病気は治癒できない。選挙活動においてもそうした病気の存在をほとんど無視していた。
安倍氏は07年に突然辭任した首相の座に再登板する見通しだ。この保守的なリーダーが選挙活動中、公共事業倍増を実現するとともに、日銀に積極的に働きかけデフレを解消し、円を抑えてトヨタやソニーなどの輸出企業を救うと約束した。
富國生命投資顧問の桜井祐記社長は、「日銀の規定修正、為替相場の水準調整、積極的な緩和政策が日本國內の様々な問題を解決する手段になると安倍氏は考えている。こうした考えは本當に心配だ。これらの対策は構造改革のための時間稼ぎの手段となるべきだが、自民黨がどういった改革に取り組みたいのか全く聞いたことがない」と指摘する。
大多數の投資家は新リーダーが公約を実行するのを見たいだけだということは、いわゆる「安倍トレード」(1カ月で4%の円安、株価は10%以上上昇)の相場が示している。
構造改革がカギ