過去十年、留學や技術移民、投資移民として海外に移民するエリートや富豪は増える一方で、その大部分は歐米やオーストラリア、カナダなどの先進國に移り住んでいる。これは、「移民ブーム第三波」と呼ばれる現象である。
中國社會科學院が2007年に発表した『世界政治と安全』報告によれば、中國はすでに世界最大の移民輸出國となっている。今年6月16日、國務院華僑事務弁公室は海外在住の華僑數が4500萬人を超え、絶対人數は世界一と宣言した。
改革開放初期と前世紀90年代初めの頃の2回の移民ブームと比べ、この「移民ブーム第三波」では、移民數の増加だけでなく、移民の學歴や技術及びコストの高さが際立っている。
現在の移民の主體は知識層や技術者ではなく、富豪たちだとする學者もいる。彼らは中國國內で儲けた多額の財産を海外へ持ち出し、國籍を変えたあとで、家族を海外に殘し、また中國へ戻って一儲けするのだという。
先日、新浪ネットが行ったオンライン調査(11345人が參加)によると、中國の富裕層で移民ブームが起こっているのは、「財産を國外に移動し、稅を免れて富を蓄えるためだ」と考える人が50.4%にも上った。また、移民ブームによる財産流出は深刻だと答えた人が74.5%、特に影響はないと答えた人は6.7%に止まった。
が、それでもやはり75.2%の人が、経済的條件さえ整えば、移民を選択すると答えた。
もちろん、その人自身の身分や階層によって移民理由はさまざまである。移民するか國內に殘るかも個人的な選択でしかない。だが、これほど多くの富やエリートが海外移動していることが、われわれの社會にとって一つの危険信號であることは確かである。