渡辺英子
2011年3月11日、私は東京の日本橋にいて揺れる高層ビルの下でいよいよ「そのときが來た」と思った。その時の気持ちは例えようがない現(xiàn)実感があった。
日本で繰り広げられる支援の様子、頻繁に襲う余震、不況の日本を襲った経済的打撃、研究機関から次々と明かされる近く訪れるであろう首都直下型地震への恐怖。そして、福島原発にまつわる政府と東電の信じられない事実の數(shù)々を訳し続けてきた。
1年経って、やっと現(xiàn)地を訪れることができた。そしてほんの一部かもしれないが、現(xiàn)地のにおい、風に觸れ、聲を聞くことができた。
陸前高田
陸前高田は外海に面していたことから、海が見えない內陸にまで津波が押し寄せた。津波が通った道が今も荒野になっている。