安倍政権によって中日関係はさらに悪化するのか?米ロサンゼルス?タイムズは、安倍氏が平和憲法改正支持、軍の制限緩和、日本の主権維持の強化を公約していることから、自民黨は島嶼をめぐる中日対立をまた激化させると指摘。また、英ガーディアン紙は、保守的なタカ派が再び政権につくことで、東アジアは緊張と対抗の時代を迎えつつある。安倍氏が公約を履行し、釣魚島での漁場開発、施設建設など領土問題において強硬な立場をとった場合、対中関係はさらに損なわれ、中國の強烈な反発を招くと分析する。上智大學政治學教授の中野浩一氏は「安倍氏は自らの保守観のほかに、自民黨が進めるタカ派政策の圧力を受けるだろう」との見方を示す。
中國の環球網が17日行ったネット調査によれば、78.8%の回答者が「安倍氏が再登板によって中日関係がさらに悪化する」と答え、「安倍氏が主張する平和憲法改正、國防軍創設が実際に行われれば、東アジアで戦爭に火をつける可能性が高まる」とする回答者は89.5%にのぼった。AP通信によると、中國のミニブログサイトでは安倍氏非難の聲が強く、安倍氏の島嶼問題をめぐる強硬な発言を受け、日本製品ボイコットを呼びかける聲もあったという。
その一方、「日本経済の難局が安倍氏の勢いを弱まらせるだろう」とAFP通信の見方は楽観的だ。衆院で獲得した多數議席が安倍氏のタカ派外交政策に自由を與えるが、強大な財界が彼の極端な行動をとどまらせる可能性が高い。安倍氏は中國に拠點を持ち、その巨大市場で利益を享受しているトヨタやソニーといった大手メーカーの制約を受けるというのだ。政治學者の増山千高氏は、「中國の巨大な経済と両國の貿易関係のほうが安倍氏の勢いに勝っている。対中関係を改善できなければ、有権者は來年の參院選で自民黨に罰を與えるだろう」と分析する。
ニューヨーク?タイムズ紙は17日、今回の選挙は、経済を改善できなかった民主黨を失望した國民が放棄する形となった。安倍氏の言うように「自民黨に対する國民の信頼が回復したというより、民主黨政権の混亂に対して國民がノーと言った」といえる。「有権者が自民黨に票を投じたのはそれが唯一の選択肢だったからだ。今回大勝したが、安倍氏はこれを任意に何でもできる全権委任狀だとは思わないほうがいい」と京都大學政治學教授の待鳥聡史氏は忠告する。自民黨関係者は、安倍陣営は選挙前からすでに北京とひそかに接觸し、緊張緩和に努めていたと明かす。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2012年12月19日